透明な家族と生きる日々―亡くした大切な人はそばにいて一緒に生きていける
私たちには、目には見えない「透明な家族」がいます。
もともとは、どこにでもいる、ごく普通の4人家族でした。
あの日を迎えるまでは。
3年前、次男のしーくんが、
「なんで、うちの子が」
「まさか、最愛の我が子の最期を見送る日が来るなんて」
昨日まで当たり前のように抱きしめていた温もりが、
亡くなったら、もう二度と会えない。
あの時期は体が引き裂かれるような、
もう二度と、心から笑える日なんて来ないかもしれない。
そんな絶望のなかにいた私たちに、
しーくんは、
それは、
しーくんの命日その日に、奇跡のように生まれてきた長女。
まだ視力も定まらないはずのその長女が、
壊れて音が鳴らなくなっていたはずなのに、
ある日ふいに、
四十九日の日に、
家族みんなで空に向かって名前を呼んだ瞬間、
そして何より、当時まだ小さかった長男が、
「しーくんは、透明人間だね」
その言葉に、私たちはハッと救われました。
その日から、私たちは見えない次男も含めた「5人家族」として、
姿は見えなくても、写真に向かって「おはよう」と話しかける。
誕生日には、イメージカラーの花を飾って、
アクリル写真のしーくんを胸に抱いて、
これは、そんな「透明な家族」と今も一緒に生きている、
ある人にとっては、ただの偶然や、
大切な人を亡くしたとき、
無理に前を向かなくていい。
悲しみは、消さなくていい。
ただ、悲しみを抱えたままでも、
今目の前にある幸せを、
笑って生きていい。
見えなくても、そばにいる。
この本に紡いだ言葉たちが、
嬉しいです。

