しーくんプロデュース旅行
直感は、サインだった
私は、霊感があるわけではない。
でも、ときどき強烈に湧き上がる「ここに行きたい」という感覚がある。
理由はわからないのに、迷いなくそう思う。
最初は、ただの思いつきだと思っていた。
でも、その直感に従ったときだけ、
不思議なくらい、すべてがうまくいく。
だから今は、あの感覚はきっと、
しーくんからのサインなんだと思っている。
「ママ、こっちだよ」
そうやって、やさしく導いてくれているような気がする。
能登/すべてが重なったタイミング
すみだ水族館で、
「のとじま水族館の復興応援キーホルダー」を見つけた日。
長男が、たまたま見つけた動画が、
のとじま水族館の特集だった。
震災で大きな被害を受けて、
ジンベエザメも亡くなったことを知って、
「行きたい」
その気持ちが、家族の中で一気に重なった。
直感で調べた日程。
なぜかぴったり空いていた飛行機の座席。
復興したばかりで数の少ない宿も、不思議と予約が取れた。
そして、現地に行く直前に、
奇跡的に見つかったジンベエザメの展示が始まった。
すべてが、“ちょうどよく”重なっていた。
偶然と言うには、あまりにも出来すぎていて、
自然と、こう思った。
これは、しーくんが連れてきてくれたんだって。
大好きだったにぃにに、どうしても見せたかったんだね。
沖縄/直感で決めた旅に込められていたもの
長女みーちゃんの1歳の誕生日。
そして、しーくんの3周忌。
でも、しーくんは前にこう言っていた。
「何周忌なんてやらないで。むしろお祝いしてほしい」って。
だから今年も、しんみりするんじゃなくて、
家族で思いきり楽しむ時間にしようと決めていた。
そんなとき、ふと目に入ったのが
Instagramで見かけた沖縄旅行の投稿。
ちょうど心が動いていたタイミングで、
「ここだ」と思って、そのまま予約した。
イルカへのえさやりや、サメの歯のガチャ。
事前に見ていた情報のおかげで、やりたかったことを全部叶えられて、
とても満たされた旅行になった。
そして、その1ヶ月後。
“見える方”からこう言われた。
「いま真冬なのに、次男さんがあたたかい海を見せてくれてる。
どこか行きました?」
沖縄に行ってきたことを伝えると、
しーくんからこんな言葉を受け取った。
「ママ、沖縄で感じてきたことあるでしょ?学んできたでしょ?」
「日本海と沖縄の海って違うでしょ。
穏やかで、あたたかい。
海は海外とつながっていて、境界がない。広がっていく。」
「この光を通して広げていく感覚。
それをママがやっていくんだよ。」
「人の目を気にしないで。」
「もっと感情を出していい。
感じたことを、そのまま伝えていい。
それが誰かの勇気になるから。」
そして最後に、こんなことも教えてくれた。
「あのとき沖縄に行きたいって思った直感も、ぼくだよ。
このタイミングでその投稿を見てって、ママに伝えたんだよ。」
飛行機もホテルも、驚くほどスムーズに決まったこと。
今振り返ると、すべてがつながっているようにも感じる。
この旅は、ただの偶然じゃなくて、
“感じること”を受け取りに行く時間だったのかもしれない。
そう思えたとき、
沖縄で感じたあのあたたかさや自由さが、
自分の中にすっと残っていることに気づいた。
しーくんが企画してくれた旅だったのか、なんて、
家族で笑いながら話した。
福島/予定を変えた直感
しーくん3歳の誕生日旅行で
福島の水族館に行ったときのこと。
本当は、2日目の日曜に行く予定だった。
でも前日、なぜかふと思った。
「明日にしよう」
理由ははっきりしない。
ただ、そのほうがいい気がした。
結果的に、その判断はすべてを変えた。
晴れた空から光が差し込む水槽は、息をのむほど幻想的で。
長男がやりたがっていたえさやりや釣り体験も、
混雑なく、思いきり楽しめた。
あとから聞いた話では、日曜は混んでいて、
同じ体験は難しかったかもしれないという。
あのときの直感がなければ、きっと見られなかった景色。
「あ、こっちだよ」
そうやって、そっと教えてくれていた気がした。
君津グランピング/家族のためのリクエスト
初めて、しーくんに「どこに行きたい?」と聞いたとき。
返ってきたのは、少し意外な答えだった。
【山の静けさ】【火を囲む時間】【温泉】
これまでの流れから、海を想像していた私は、少し驚いた。
でもその理由を知って、胸がいっぱいになった。
「パパとママに、ゆっくりしてほしい」
それは、自分が行きたい場所じゃなくて、
家族のことを考えたリクエストだった。
探してもなかなか見つからなかった条件の宿も、
諦めかけたときに、ふと見つかった。
広いテント、貸切の空間、何度も入った温泉。
子どもたちの笑顔と、ゆっくり流れる時間。
そのすべてが、やさしく包まれているような感覚だった。
しーくんは今も、家族のことを一番に考えてくれているんだと、強く感じた旅だった。
ピカチュウジェット/最後のごほうび
帰省の帰り道。
たまたま乗った飛行機が、ピカチュウジェットだった。
あとで知った確率は、たった6%。
それだけでも十分すごいのに、
それが“帰り”だったことに、意味を感じた。
もし行きだったら、
きっと長男は、帰りに少し寂しい気持ちになっていたと思う。
でも、最後に一番楽しい体験がきたことで、
旅の記憶は、まるごと「楽しかった」で終わった。
きっとこれは、しーくんからのごほうび。
「最後まで楽しくね」
そんな声が聞こえた気がした。
トラブルさえも、絆になる
別の旅行では、飛行機が欠航になるという出来事もあった。
長男が一番楽しみにしていた、長男の誕生日旅行。
東京から南紀白浜(和歌山)の便が、
視界不良でフライト直前に欠航になってしまった。
「ホテルにいけないってこと…?」
涙目になる長男を前に、一瞬、頭が真っ白になった。
でもそこから、パパがすぐに判断して、
陸路で8時間の大移動が始まった。
長い時間をかけて、やっとたどり着いた宿で、
スタッフの方たちが拍手で迎えてくれた。
その瞬間、張り詰めていたものがほどけて、涙があふれた。
あの出来事があったからこそ、
家族で乗り越えた時間が、強く記憶に残っている。
すべてが順調じゃなくてもいい。
その中で、ちゃんと意味が生まれていく。
そんなことを感じた旅だった。
一緒に旅をしている
これまでの出来事を振り返ると、
どの旅にも、不思議なくらい自然な流れがあった。
直感で選んだ場所、
ぴったり合うタイミング、
重なっていく出来事。
それはもう、偶然とは思えないくらい、
やさしく整っている。
きっと今も、
しーくんは、少し先を歩きながら、
「こっちだよ」って振り返ってくれている。
見えなくても、
同じ景色を見て、同じ時間を過ごしている。
そう思えるだけで、
旅はただの移動じゃなくて、
家族の物語になる。
これからもきっと、いろんな場所へ行く。
そのひとつひとつに、また意味が重なっていくんだと思う。
しーくんと一緒に。
家族5人で。

