天国の次男が4歳に。今年も家族5人で迎えた誕生日
亡くなった大切な人とも一緒に歳を重ねていける
天国の次男、4歳の誕生日を今年も家族でお祝いした。
お花屋さんで、
しーくんのイメージカラーの黄色とオレンジの花を選んで、飾る。
「プレゼント、何がいい?」
写真に話しかけると、ふと浮かんだものがあった。
それを、そのまま受け取りプレゼントすることにした。
「どこ行きたい?」
「何食べたい?」
問いかけるたびに浮かぶ答えを、
しーくんからのリクエストのように感じながら、
一つひとつ準備していく。
夜は、みんなでケーキを囲んだ。
「♪ハッピーバースデー、しーくーん」
手を叩きながら歌って、
最後は子どもたちが「せーの♪」でろうそくを吹き消す。
その光景を見ながら、
今年も、ちゃんと5人で過ごしていると思った。
長男が「しーくんは透明人間だね」
って言ったあの日から、
亡くなった大切な人とも、一緒に歳を重ねていけるんだと
思えるようになった。
子どもの純粋な言葉に、大人がハッと救われることがある。
深い悲しみも、こうやって少しずつ形を変えて、
「
あらためて気づけた一日でした。
旅先で「一緒に笑ってる」と感じた日
「4歳の誕生日、どこ行きたい?」
写真にそう話しかけたとき、
ふっと浮かんだのが、新潟の水族館だった。
(上越市立水族博物館うみがたり)
そのひらめきを、
しーくんからのリクエストのように受け取って、家族で向かった。
ガイドブックで見ていた以上に、
そこはまるで美術館のように美しい空間だった。
日本海と一体化した景色、
光がゆらめく水中トンネル、
幻想的に広がる展示の数々。
“その土地の海”を丸ごと感じられるような場所で、
次男しーくんを亡くしてからできた、
家族の大切な趣味、水族館めぐり。
気づけば、みんな笑っていて、
そのとき、ふと、思った。
「あ、いま、一緒に笑ってるな」
姿は見えないのに、確かにここにいるような感覚。
水と光に包まれながら、家族で過ごすこの時間に、
しーくんもちゃんといる気がした。
「悲しい過去があっても、
残された私たちは、今を思いきり楽しんで、
笑って生きていい」
そんなふうに、
日常を楽しむ勇気を、もう一度もらえた旅行でした。
しーくんからの“プレゼント”
水族館のあとは、
宿泊先のライムリゾート妙高へ。
今回の旅行は、
しーくんの誕生日をお祝いするためのものだった。
でも、過ごしてみて思ったのは、
これはきっと、
しーくんが私たちにくれた時間だったんだ、ということ。
以前、
「ママとパパの疲れをとってあげたい」
って、しーくんが伝えてくれたことがあった。
疲れが取れたら、
いっくんやみーちゃんとも、
もっと穏やかに過ごせるでしょ、って。
妙高の澄んだ空気の中で、
温泉に浸かって、体がゆるんでいく感覚。
美味しいごはんを囲んで、家族で笑い合う時間。
夕食は、
メインがしゃぶしゃぶかステーキか日替わりだと知って、
「しーくんの誕生日だしステーキがいいね」なんて話していたら、
その日はちょうどステーキの日だった。
「やったー♡」って喜ぶ子どもたちを見ながら、
こういう小さな偶然にも、ふっと、しーくんを感じる。
どれも美味しかったけど、
パパが一番驚いていたのは、お米だった。
「今までで一番おいしいかも」って、
何度も言いながら食べていて、
その姿を見ていたら、
胸の奥がじんわりあたたかくなった。
あの頃、深い悲しみの中にいたときは、
“美味しい”って感じることすら、どこか遠いものだったから。
こうして、ちゃんと味わえること。
美味しいって思えること。
その感覚を取り戻せている今も、
きっと、しーくんからのプレゼントなんだと思う。
気づけば、心までほどけていた。
しーくんの誕生日なのに、
プレゼントをもらったのは、私たちの方だったのかもしれない。
偶然に、意味を見つけた日
次男しーくんの4歳の誕生日は、前祝いの旅行だったから、
帰りの電車でのこと。
宿の送迎バスで同席したご家族と、
たまたま隣り合うボックス席に座っていたとき、
電車がある駅に停車した。
ふと目に入った駅名は、
「三才駅」。
あ、ここ知ってる。
3歳の子どもと訪れて写真を撮ることで有名な場所。
SNSで見たことがあって、記憶に残っていた。
そのとき、長男が一言。
「しーくん、3歳じゃん!」
たしかに、そうだね!!
思わず笑ってしまった、その直後、
隣のご家族が、慌ててホームに降りていった。
しばらくして戻ってきたので、話しかけてみると、
「娘が今日、3歳の誕生日なんです」
そう教えてくれた。
偶然、同じ電車に乗り合わせて、
偶然、その駅に停まって。
その重なりに、
ふっと、しーくんを近くに感じた。
こういう日常に転がっている「小さな奇跡」を見つけて喜べる心が、
毎日を少しずつ豊かにしてくれるんだと、
ふと思えた日。
意味があるかどうかより、
“そう感じた心”を大事にしたい。
思い出だけじゃなく、“今”を一緒に
思い出の中だけじゃなくて、
こうやって今も一緒に感じられること。
同じ景色を見て、
同じ時間を過ごしていると感じられること。
それが、
今の私たちにとっての“つながり方”。
これからも一緒に、
新しい景色を見に行こうね。

